+short essay





+ 音楽!? +

たとえば車で移動してるとき
部屋にいて掃除や洗濯をしてるとき
いろんな場面でBGMに触れている

出かけた先のスーパーや書店
コンビニや病院
それに街中のアーケードだって
いろんな場所にいて無意識にBGMに触れている

わたしの幼少の頃は学校で習う音楽が大嫌いだった

それなのに何故か、いつの頃からか好きになった
堅苦しい"音楽"というものとは違って
フリースタイルで楽しめる音楽が好きになった

好きが嵩じて上手くもないのに楽器を手にしてた

アコースティックギターから始まって
エレキギター、エレキベース、ドラム、キーボード・・・

最終的にはオーディオにも凝ってしまって
楽器やオーディオにつぎ込んだ金額は
おそらく700万以上になると思います

その当時のわたしの親が会社を経営し
それなりに裕福であったからできたことなんですけどね・・・

それが幾歳月のうちに
まったく同じかそれ以上のものが
手頃な予算で簡単に手に入るようになった

あの頃費やしたものは何だったんだろうと思いながら
古いレコードを聴いてみると
不思議と今にない満足感に似た思いに満たされる

曲が流れる事で
それを聴く事で
その当時のことが蘇る

もちろん楽しかった事ばかりではなく
哀しかったことや辛かったことも思い出す

一つひとつのことが
それぞれの曲にリンクして
普段思い出しもしないようなことを呼び起こすんです

言わば
見るアルバムと同じように
聴くアルバムといったとこでしょうか・・・

最近はその当時のレコードがCD化されてたりして
懐かしい曲の収録されたCDを見つけると
買ってきたりレンタルしたり・・・

レコードやオープンリールを楽しんでた頃に比べて
コンパクトになったおかげで収納スペースに苦労しませんね

重量的にもかなり軽いから
床が抜けるんじゃないかなって心配もなくなったし
手入れや扱いも格段に楽になってきてる

ただ
ターンテーブルが静かに回り始め
まるで儀式の様にそっとしずかに針を落とす瞬間・・・
そんな崇高な時間が無くなったのが少し寂しいですね

スタティックバランスとダイレクトバランスのアームを使い分け
MMタイプとMCタイプのカートリッジを使い分けしたっけ

オープンリールもアセテートベースがいいとか
ポリエステルベースいいとかいいながら録音してた・・・
Fe-Crが主流だった頃に
まるで信じられないような音域のメタルテープの出現!

そんなことも
今のMDやCDといったメディアは遥かに超越してる

ただ
そんな最高のメディアにも
レコードやオープンリールの持つぬくもりだけは持ち得ない

物理的なことでは解決できない何かが
きっとそこにあると思う

そんな"素敵な音楽"を思い出に持てることは
知っている者だけの優越と特権なんでしょうね

アナログに賞賛を・・・



2006.06.05